あたくし小説

30代ママ、しぃの日々の諸々を書き残す「私小説」。不妊治療・子育て・映画・洋ドラ・キャリアアップ・ヲタ文化等々、好きなものを好きな時に発信中。

チビを授かるまでの不妊治療について②

さて、前回の第1弾に書いた通りの過程を経て、今お腹にいるチビを授かったわけなのですが。

sissy0421.hatenablog.com

 私が経験して来た不妊治療は、なんだかんだ言いましても人工授精までだったため、治療のレベルとしてはそこまで重いところまではいかなかったというのが実際のところです。これがさらに進み、体外受精顕微授精まで行っていたとしたら、治療にかかるお金、身体的な負担、削らなければならない時間等々、一気に負担が増えて、もっともっと大変な思いをしていたはずです。実際、今でも身近にそのレベルの治療を頑張って続けている知人もいます。本当に、上手くいくことを願うばかりです。

そこまで経験していない私がエラソに不妊治療を語るのもおかしいといえばおかしいのですが、それでも世の中の、とりわけこれから妊娠や出産をする可能性の高い若者たちに対して「これは知っておいてもらわなきゃヤバいやつだ」と痛感したことがいくつかあるので書いておきたいと思います。これは、男女どちらにも伝えたいことです。

 

①「そのうち妊娠できる」「子どもなんて本気出せばできる」と過信してはならない。
パートナーを得てから何となく「子ども?まあそのうちにね」とか「自然に任せて」とか言いつつ数年を経てしまい、そういえばいつまでも妊娠しないな…と気づく、なんてパターンになるというのは珍しくないと思うのですが(そういえばうちもそうだった)、そうなってから不妊の原因がガツンと見つかったりだとか、しかもその時すでに30代に突入していただとかいう場合、結構ダメージが大きいです。そして「もう少し早く分かっていれば」という後悔に必ず襲われます。

個人的には、パートナーを得て「いつかはこの人の子どもが欲しいな」と思っているのであれば、あまり先延ばしにせず「自分の体に問題がないかを知っておく機会」を設けておいた方がいいんじゃないかと思うのです。女性が婦人科で受けられる「ブライダルチェック」なんてのも一つの手でしょうね。もちろん、女性だけじゃなく男性にもそういう機会はあった方が絶対にいい。一般的じゃないかもしれませんけれど。でもね、不妊の原因はどちらにでも有り得るのです。うちも夫側に原因があったわけだし。

「何もそこまでしなくても…」というのは一旦置いときましょう。女性には子どもを産めるリミットがあるんです。取り越し苦労で終わるんなら、それはそれでいいじゃないですか。後々になってから「もう少し早く分かっていれば」となった時のダメージの方が遥かに大きいんですから。

 

不妊治療に踏み切るのであれば、夫婦揃ってやるべき。

どうしても不妊治療となると、妻の方が鼻息荒く、それに夫がなかなか乗り切れないというケースがよくあるようですが、ここは足並み揃えて始められるに越したことはないです。病院には二人一緒に行く、検査は二人とも受ける、治療費の負担はどうするのかをきちんと話し合っておく等々、妻一人が頑張るのではなく、意識すれば二人でできることっていうのは色々あります。
つまりそれらが叶うよう、夫側の意識を高める必要があると思うんです。不妊治療となると、どうしても女の戦いみたいに見られがちなんですけれども、違います。これは夫婦二人の戦いですよ。

夫側がなかなか乗り切れない理由としては、まあプライドとか、仕事が忙しいとか、実はそこまで子どもは欲しくなかったとか、理由は様々あるかもしれませんが、不妊の現実をそもそもよく分かってないってケースも多いんじゃないでしょうかね。これはもうお願いですから勉強してください。心底そう思います。

それからですね、夫側の検査を勧められた場合(要は精子検査)、夫が怯むとか、やりたがらないとか、怒り出すとかいうケースをたまに聞きます。妻側も、そうなるんじゃないかと気を遣って、検査のことをどう言い出すか悩む…とかね。
個人的には、甘ったれんじゃないよと思います。男性はプライドの高い生き物だから…とかいうフォローはどうでもいいです。そんなこと言ってたら、女性の方はとっくにプライドなんざ踏みにじられてますよ。

不妊治療って、どちらに原因があろうと、実際に病院に行かなきゃならないのは女性です。圧倒的に女性にかかる負担の方が大きいんです。せっせと基礎体温やら毎月の身体のリズムやらを記録し、それに沿って通院するわけですから、仕事を持っている人だったら何とかかんとか調整し職場に頭を下げて時間を作る必要がある。仕事と両立できなくなり、辞めなければならないケースもあります(私の友人にもいました)。行くたびに内診台の上で足広げて色々な器具を突っ込まれなきゃならず、これを屈辱だと感じる人も多いでしょう。治療の内容によっては痛い思いも少なからずします。やれ排卵誘発剤、やれホルモン注射と薬もたくさん使い、そのせいで心身不安定になることだってある。そして何より、それだけやったとしても治療がうまく行くかは分からないのです。ハラハラしながら結果を待ち、それでも生理が来てしまった時の絶望も覚悟しなければならない。こうなればまた振り出しです。次の月もまた同じことの繰り返しになる。何とか切り替えて「よし、また頑張ろう」と前向きになれればいいんですが、そう単純にはいかないんじゃないでしょうかね。

それに比べればですよ?ちょっと頑張ってカップに精子出すくらいどうってことないだろ!と思いません?病院の採精室でやるのが嫌なら、自宅でやってそれを持ってくるという手もあります。これだけでも充分な配慮ですよ。

そもそもね、男性側に不妊の原因があったとしても、男性にできることってさほど多くないらしいんです。実際に医者(男性不妊の場合は泌尿器科の専門医)の診察や検査を受けることも勿論あり、稀に生殖器への外科手術などが必要なケースもあるようですが、それは余程深刻な場合のみで、基本的に男性は痛い思いはしない。病院通いの回数は女性に比べれば圧倒的に少なく、薬の内服とか、生活習慣を見直すように指導されるとか、そんなもんです。うちもそうでした。漢方薬を処方されてそれを飲み、あとは締め付けない下着をつけろとか、飲酒はなるべく控えめに、控えられないんなら赤ワインに変えろとか、指導はそんなもんだったそうです。不公平じゃね?と当時の私は思ってましたね。

……あー、気づけば随分感情的な文章になってしまってますが…実際に男性とざっくばらんにこういう話をしたことが何度かありまして、その度に痛感するのが不妊の現実をそもそもよく分かってないんだな」ということでした。実際に不妊に悩まされない限りは縁のない話ですから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれないですが。
でもね、もし不妊治療の当事者になると分かった時には、最初の方にも書きました通り、お願いですから勉強してください。そして、治療は夫婦二人でするものと最初から決め、足並み揃えてやる努力をして欲しいです。

 

③やはり、基本的生活習慣は見直した方がいいかもしれない

私は女性なので、女性目線になってしまいますが、例えば「生理不順になりやすい」「職業柄、時間がいつも不規則」「冷え性である」「運動不足」「適正体重の範囲外である」等々、一般的に妊娠の妨げになると言われているちょっとした問題を抱えている場合、できるだけ取り除く努力はした方がいいんじゃないかと思いますね。

私の場合、生理は非常に規則的に来ていました。生理痛はひどかったのですが、これが不妊と何か関係があるとも思えず、毎回鎮痛剤で押さえつけるのみで放置していたのですが…流産を経験した後にちょっと変えてみました。

まずはナプキンを布製のものに変えました。信ぴょう性のほどは分かりませんが「使い捨ての紙ナプキンに含まれている何らかの化学物質が子宮に悪さをしていて、これが冷えとか生理痛とかあまつさえ不妊の原因になっていることがある」という情報を仕入れ、本当かなあと思いながらも布ナプキンに切り替えてみたんですね。

そうしたら、あっという間に病みつきになりました。とにかくつけ心地が違う!これを一度経験してしまうともう紙ナプキンには戻れなかった。確かに布だと、洗って乾かさないといけないという手間はあるのですが、その手間を差し引いても余りあるほど、これはいい!と感じたんですね。

で、使い始めて半年くらい経ってから、あれほどきつかった生理痛が消えていることに気付いたのです。これはびっくり仰天しました。チビの出産後、生理が戻って来ても布ナプは使い続けようと決めています。

あとはですね…絶望的に運動不足であったため、ホットヨガ通いをしばらく続けました。ま、スタジオに通うにはそれなりにお金もかかりましたが、これはとても楽しめたので良しとします。

で、布ナプホットヨガ、しばらく続けた後に今のチビを妊娠したことが分かったのです。この妊娠は人工授精でしたし、布ナプホットヨガが、妊娠にどれだけ貢献してくれたか実際には分からないです。でも、少なくとも身体に良いことをしたのは間違いないと思っているので、まあ、受精や着床の確率を上げこそはすれ、下げてはいないんじゃないですかね(第1弾の記事に書いた通り、消化試合呼ばわりしてた人工授精だったしね)。基本的生活習慣を見直す、というとやや固い印象なので、単純に身体に良いこと・心地よいと思えることをするっていうだけでもいいんですよ。素晴らしい気分転換になります。不妊のことばかり考える毎日になっているとしたら、一旦そこから離れるためにもお勧めかなと思います。

 

私が自分の不妊治療を通じて「若者に分かって欲しい」と強く思ったのは以上です。

私が通い、妊娠を叶えてくださった不妊治療専門院には何人かの先生がいらっしゃいましたが、そのうちのお一人(まだ結構若い男性医師)は、若者にも不妊の啓発活動をしなくてはダメだという信念をお持ちで、何と高校に出向いて現役の高校生に公演をしに行く活動をされているんだそうです。早すぎるだろ!という意見もあるかもしれないですが、私はその先生の活動を支持したいと思いました。

学生相手の性教育って、どうしても「性行動には責任を持て」とか「避妊は必ずせよ」とか、そういった戒めのようなことが中心になりますよね。勿論これらも非常に大切なことなんですが、それと同時に「女性の出産にはリミットがある」「男女問わず、誰でもサラッと妊娠できる&させられる体とは限らない」ってことくらいは、教育しておいてもいいんじゃないでしょうか。矛盾する教育ではないと思います。

随分長くなりました。チビが出てくる前に、これだけは吐き出しておきたかった話題でした。

さて、今日で40周と1日…まだマイペースにお腹の中で動いてます。